屋根裏の散歩者

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屋根裏の散歩者 / 江戸川乱歩 / 角川文庫 / 490円
カバー: 高橋葉介

大正から昭和にかけて、およそ1920年代の作品ですが、うーん、ちょっともう読めないですねぇ。

「屋根裏の散歩者」タイトルが一番素晴らしい。中身は何だかな。犯罪自体も稚拙なら、明智のやり方も卑怯だし。
「人間豹」ヒロインを次々に虐殺していくあたり、いかにも連載作品ならでは。ただし全体的には、はったりやらその場しのぎのアイデアやらでつないだ感が強く、まったく盛り上がれません。最後に主犯を逃がすのも許せません。しかし明智が結婚していたのは知りませんでした。
「押絵と旅する男」これは良品。ラスト、押絵の人形たちが恥ずかしそうにしているのが素晴らしく良いです。
「恐ろしき錯誤」もう一捻りあるのかと、具体的には正体もなく焼け死んだ女性は別人で、妙子は生きているのだろうと思っていたので、本当に疲れて寝ていただけなのだと知ったときはがっかりしました。

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