本の雑誌2012年12月号 (No.354)

本の雑誌 2012年12月号 (No.354) / 本の雑誌社 / 648円 + 税
表紙デザイン 和田誠 / 表紙イラスト 沢野ひとし

読者アンケートの「活字の勘違い!」。あるあるネタが多かった中に異色(?)の意見が一つありました。ところで私は原則、小説類は最初から読み始め、途中つまらなかろうと、何書いてあるのか分からなかろうと、とにかく最後まで順番に読むものと固く信じています。ですので「本のまんなかあたりから読んだり、最初と最後しか読まないこともあるよ」と言って、読書初心者にカルチャーショックを与えたという若林さんの方が、よほどカルチャーショックでした。いきなり真ん中から読んだり、犯人が知りたくて最後を見ることがあるんだ。うーん。ミザリーなら殺してるぞ、きっと。

特集は「天下の暴論」。問題意識は理解できるものの解決策が言いっ放しであまり共感できません。だからこその「暴論」なんでしょうが…。その中で青山南の「「著者の最高傑作!」という表現はするな! 」は皮肉も決まって笑えました。オーディオブックは米国では盛んのようですが日本ではあまり聞きません。それも電子書籍が一般化すればリーダーの機能として装備され、事情が一変するのかも知れません。

三浦しをんは『船を編む』の本屋大賞副賞10万円図書カードで116冊(!)のお買い物。4分の1が書籍、4分の1がコミック、そして残りの半分がBL物と楽しそうな買い物です。きっと日常こんな量を買い、ちゃんと読んでいるのでしょうね、羨ましいです。ちなみに『古本の雑誌』によれば町田の古書店で2年半働いていたそうです。

新刊では五つ星の『本にだって雄と雌があります』『密室収集家』『ソロモンの偽証』、そして杉江松恋の2冊に佐久間文子、榎本文昌、北上次郎のお薦め本。大森望のいうベストテン年度末だからでしょうか、強力です。中では先月号でも佐久間文子が冒頭に挙げ、今号ではトヨザキ社長が推す『無声映画のシーン』が静かに染み入りそうです。

津野海太郎の図書館論は切実ですが、ちょっと寂しい。そして今号で連載陣が多数入れ替わり。最後の最後で山崎望が女性だと知りました。

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