ビブリア古書堂の事件手帖 -栞子さんと奇妙な客人たち- / 三上延 / メディアワークス文庫 / 590円+税
イラスト: 越島はぐ / デザイン: 荻窪裕司
「おすすめ文庫王国 2012」で1位を獲得した際は、へぇ、ラノベがねぇと思ってたらあれよあれよと大ヒット。今やメディアワークス文庫というか、移籍先の角川文庫を支えるまでのシリーズです。面白いもんね。シリーズ物にはできるだけ手を出さないようにしている私もこのシリーズだけは最新作まで買ってすぐに読んでいます。
あれ、第6作目が出てる。買ってこなきゃ。
で、1作目。
改めて振り返ると助手役の五浦君が何も知らず、ために書籍全般の話、古書店の仕組み、作家や作品を巡る小ネタが中心で、すっきりした印象。栞子さんとの関係もほわっとした感じが全編貫いていていいですね。最後の『晩年』を巡る諍いも、本好きのずるさが出ていて栞子さんに人間味を与えます。
2巻以降の登場人物の過去を巡る展開はシリーズものとしては仕方ないのでしょうが、んー、どうでしょう。このパターンで続けるのでも良いと思うのですがね…。
ところでこの作品が売れた要素として、イラストの力は非常に大きかったと思いますが、中の扉のイラストは意味不明。これってあり物を使いまわしているのでしょうか…? 特に11頁の「ドラゴン・ヘッド」みたいな薄気味悪い人物は誰なんだ?