本の雑誌 2025年9月号 – 『ニューロマンサー』の新版買うかなぁ…

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本の雑誌 2025年9月号 (No.507) 味玉つるべ落とし号 / 本の雑誌社 / 800円 + 税
表紙デザイン クラフト・エヴィング商會 [吉田浩美・吉田篤弘] / 表紙イラスト 沢野ひとし

特集:北上次郎「面白小説」大賞発表!

冒頭から「まず動機がはっきりしない。」は、ないんじゃないかなぁ。真面目に選考している証として Twitter に書かれていましたが、うーん。自分で賞を作って、自分で作品を俎上に載せて、否定から入るってのはなぁ…。まぁ、賞の選考なんてそんなもんかもしれいないけど。

『死んだ山田と教室』の売れているのが仇ってのは、他の注目すべき作品に光を当てる明確あ目的があるので、理不尽でも意味は分かるし納得します。

大賞は『生命活動として極めて正常』。収録作品にばらつきはあっても、選評を読むと納得。『裸足でかけてくおかしな妻さん』はどうかな。一番評価が自分に近いと思った杉江松恋が推しているので気になりました。

新刊

橋本輝幸の海外文学では『ジェイムズ』の紹介の締めで、「過去の人間が犯した不条理を忘れず、照らし出している。一方でまったくの空想が読者を感動させ、胸を熱くさせる怖さも感じた。」と、「怖さ」を持ってくるところが良かった。まったく読み心地悪そうな『人形のアルファベット』も惹かれます。
梅原いずみの国内ミステリーの『霊感インテグレーション』のIT系お仕事小説はちょっとだけ気になる。色々文句を言いたくなりそうなのでちょっとだけ。
久田かおりと藤田香織の『アフターブルー』は、設定の「おくりびと」が作為過ぎないかなぁ。ただし久田の「光が見えない暗闇にあるのは絶望だけではない。」の言葉は重いし、良い。
東えりかのノンフィクションでは『see you again』と『酒鬼薔薇聖斗は更生したのか』と同じ傾向の作品が並びました。読まないと思うけど、気にはなる。

宇田川拓也の2冊『失われた貌』『ハウスメイト』はどっちも結末が気になりました。
山岸真では『アンドロイドは電気羊の夢を見るか? [Deluxe Edition)』6000円と、『ニューロマンサー[新版]』。後者は限定オリジナルカバー版も出るらしい。新訳じゃないので買う理由がなく、でも欲しくて悩み中。

連載

鰐部祥平のスパイノンフィクション3選『英国二重スパイ・システム』『キム・フィルビー』『イスラエル諜報機関 暗殺作戦全史』は面白そう。冒険小説の訳者あとがきでそんな世界もあるのだなと知ってはいたけど、詳細は知らないんですよね。ちなみにこの手の話をしても多くの人は話を受け入れてくれず、「厨二病」と言われます。気持ちはわからないでもない。
椎名誠は一新、映画フィルムサイズの話。前もこの話題してたよね?
古本屋台のかき氷の話がいいなぁ。おじさんが黙って聞いているのもいい。
穂村弘は『レッド』。「なんとなくはっきりしない。」ですよね。80年代の浮かれたか、浮かれなかったかとは別次元の、人それぞれに微妙な接し方があった話題なので語るのは難しいと想像します。ちなみに山本直樹の新刊本は全部買っていたのに、生活にかまけたときの出版でそろえられず、全4巻再編集版のみを購入。4巻以降は未読です。

♪akiraの映画「クンストカメラ」。個人コレクションの映像だけって飽きないかな?
和氣正幸はブックティーサロン。きっと世界観ができているんでしょうね。
山脇麻生は『あみかはポテトになりたかった』。読んでみたいけど、ツライのは嫌なのよね…。
小山力也は吉祥寺の藤井書店。まさにその階段の途中からハヤカワSF文庫を抜いた記憶あり!(書名は忘れた)
urbanseaは1945年8月15日の「半間」。篠田正浩は「腹が減った」で、野村昭子は夕方に一斉に灯る電灯で、自殺を留まる。

泉麻人は1979年のウィークエンドスーパーの林真理子。別人というオチ
柴口育子と今月の書店は CHEKCCORI。理想の出版業&本屋という感じ。いろいろ苦労しただろうに明るいなぁ。いつ行っても、ボサノヴァっぽい、いい感じの韓国音楽が流れています。
栗原康と服部文祥は偶然(?)、人間主体の考え方が正しいわけではないという話。感応せよと。
北原尚彦によると、中井貴一と手塚眞は成蹊の同級生。

円城塔も青山南に続き『ガザ・キッチン』。
風野春樹は『ピンクと青とジェンダー』。なんと20世紀初頭は青赤逆だったとか。またトイレを青赤で男女分けは日本だけとか。へぇ。
舘浦あざらしの織田作之助の10冊はときめかず。太宰、安吾、織田の鼎談の「ぼくら悪文だよ」にはしびれますが。選者の書物に対するこだわり、解説の出来不出来、は良かった。

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