本の雑誌 2025年12月号 – 東えりかと服部文祥の連載終了。残念

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本の雑誌 2025年12月号 (No.510) 一陽来復かぼちゃ号 / 本の雑誌社 / 800円 + 税
表紙デザイン クラフト・エヴィング商會 [吉田浩美・吉田篤弘] / 表紙イラスト 沢野ひとし

特集:オモロイ純文運動!

運動を始めた松永K三蔵の言葉はとてもわかり易く、伝える気持ちが籠もっています。純文学の第一義は「自由」で「ありのままに世界を、人間を書く」のだと。巻末にはおすすめのリストも付きます。信頼できる人です。
杉江松恋とマライ・メントラインのオススメは面白そうだけど、純文でエヴァンゲリオンを持ち出すのは、まんまという気もします。
牧眞司の難しい小説の読み方は、批評家が何とかかじりつこうとするスタイルで、一般人向きではないような。解説を読み、結論を探してまで解像度を上げる必要があるとは思えません。

新刊

大森望が『火星の女王』に対して「ギリギリのところで現代SFとして成立している」と言うのだけど具体的にどこがどうなると「今風」なのか教えてほしい。『侵蝕列車』は『銀河ヒッチハイク・ガイド』っぽい部分もあるのか、読んでみたい。『アントカインド』の14,000円はさすがに誤植だろうと確認したら合ってました…。
東えりかは連載終了。これまで面白かったのに残念。『世界自炊紀行』。「毎日同じものを食べることが当たり前」で、何を食べているのか?
元カノの書いた『西村賢太殺人事件』は色モノじゃないのね。

連載

穂村弘の正岡子規のガラスの短歌の例は驚くほど厳しい。背景を理解することで意味が反転した。知らなければ絶対呑気な歌として、そのまま読み飛ばしていた。
50代ヒロインの新たな人生 雁須磨子
山脇麻生の漫画『起承転転』は、32年東京で売れない役者をやった末に地元福岡に帰る葉子50歳の話。キツすぎてある層にはたまらんだろう…と思っていたら徳永圭子が被弾していた。
岡崎武志は連載終了。その最後に古本屋ツアー・イン・ジャパンの小山力也が訪問するのがいい。メルカリでも十分古本屋と思うけど、実店舗を欲しがる気持ちはわかります。
urbanseaの自動炊飯器の話が面白い。「自動」の意味は炊くことでなく、自動でスイッチが切れて、黒焦げにならないことだとか。なるほど。
椎名誠は80年代のパーティー風景。あまり経験ないけどこんな形態も減ってるんだろうなと想像。
内澤旬子はタイルのカット。こんな曲線きれるものなの、何枚切ったの? と純粋に驚く。
服部文祥は自然農。化学肥料と農薬は大量の農作物を作るための方策なので、自炊の量が賄えるのなら良いはず。ここらは難しいですね。なんと連載終了。面白かったのに残念。
北原尚彦の青山学院大学推理小説研究会の呑み会は中目黒の大善。多分行ったことがあるな。
鏡明の安形麻里・安形輝著『ヴォイニッチ写本』はおもしろそう。
三角窓口で浜本さんが西荻窪の古書店を紹介。音羽館、にわとり文庫、モンガ堂。読者の盛林堂書房。
円城塔は人工知能の進展が速い、と始めてから『原論文から解き明かす生成AI』の紹介。強いわ。
藤岡みなみは『百年文通』。早く読みたい。
風野春樹は海底地図完成への挑戦として『深海の地図をつくる』。まだ全体の四分の一しかわかっていないらしい。へぇ。不遇な女性地質学者が気になる。
金子玲介は舞城王太郎の10冊。これだけの熱量で紹介してもらえば、何でも面白そうね。

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