ダイナー / 平山夢明 / ポプラ文庫
装幀: 坂野公一 welle design / カバー写真: Photo by Aflo
携帯闇サイトの運転手募集に応じたオオバカナコは、事件に巻き込まれた結果山に埋められるところを、ボンベロが経営するダイナー「キャンティーン」のウェイトレスとして買われる。毎晩訪れる殺し屋(=異常人格者)と、相棒の菊千代。後継者争いのもつれから組内の緊張が高まる。
ふみちゃんねるの書籍プレゼントでいただいた2冊目。
冒頭から女二人が殴られ、爪を剥ぐ描写があって、キワモノかぁと思って渋々と読み始めました。
ところでこの本には写真の帯がついてました。
ときわ書房本店特製なのかな? だとすると宇田川拓也か茶木則雄。この人らが薦めるならハズレはないんだろうけど、しかしこれはないんじゃないか。ときわ書房の2200人のお客さんも後悔してないのかなぁ…。
などと思いながら予定調和な、だけど理由無しに強気な主人公に違和感を覚えつつプロローグを読み終え、第1章に移るころには、わぁとなり、一気に明け方までかかって読了しました。あー、これは本当に面白いわ。最後の描写が本当に「飯事」に思えたもんね。読む人を選ぶけど、これを自信持って推薦できるときわ書房は凄い。
振り返ってみるとボンベロは最初からカナコを名前で呼んでいるから、その前の「繁盛してるんですね」から認められてますね。なんだかんだみんながカナコを大事にしていたり、エピローグもお決まりのやつ。「かもめのジョナサン」に文句を言ってこれはいいのか? という自分の声が聞こえましたが、いや、いいでしょ。