飛行船の上のシンセサイザー弾き / 難波弘之 / ハヤカワ文庫JA / 300円
カバー: 佐藤道明
解説の中島梓が触れているように、発行当時(1985年)でさえ多少古びた感のある、日本SFの原型 – 正体を明かさない中盤と意外なオチという構成、会話主体のくだけた流れ、いつかどこかで読んだような文体 – の作品に時代を感じてしまいます。難波さんが10代のときに書いた作品に手を入れたもののようですが、どうしてもね。
その中では「青銅色の死」(ただし前半のみ)と「青い世代」は読ませてくれました。後者などは発行当時恥ずかしかったものが、一周回って普通になったような感じ。おもしろい。