本の雑誌 2011年11月号 (No.341) / 本の雑誌社 / 648円 + 税
表紙デザイン 和田誠 / 表紙イラスト 沢野ひとし
特集は「天下無敵の人生相談!」。回答者のウエちゃん登場に驚いた人も多かったのではないでしょうか、実はブログも(http://ueue.blog.eonet.jp/_ueue/) mixiも(http://mixi.jp/show_friend.pl?id=539559)やられているのですがね…。曲者ぞろいの回答者がストレートに、あるいは斜め45度から答えたりする中、穂村弘の引用する『女性百科宝鑑』は爆笑モノですし、杉作J太郎は冴えています。しかし車屋長吉のパワーは他を圧倒。白根久によれば「蓄膿と貧乏と嫁はん。そしてよく分からない説法のようなエピソード」。ミミ中野によれば「悩める一般人を地獄へ拉致」。わぁ…。
鴻巣友季子は担当外の日本文学の川上未映子『すべて真夜中の恋人たち』と金原ひとみ『マザーズ』を紹介。しかも後者はクロスレビューでもこじれている上での大絶賛。個人のブログでなく書評誌を読むのは、多様な意見の同居とぶつかり合いを楽しみにしているから。もっともっとやって欲しいです。
ツボちゃんは難しい言葉や人名やエピソードを説明抜きで使っておいて、後でフォローのパターンが多いのですが、今回の渋谷東急のエピソードは何もなし。デパートのオバサンにどんなルール違反を指摘されたのか興味のある所。
入江敦彦が取り上げるベストセラーは『ゲームの達人』。超訳を「文意や情景の雰囲気を損なっても平明に徹する」態度と見切っただけでも素晴らしく、イメージがすぐに浮かびました。訳者天馬龍行がアカデミー出版社長のことだと初めて知りました。
驚いたのは「古本屋の時代が来たぞ!」という若手古書店主による座談会。お客さんから仕入れず、ブックオフのセールを利用しているだなんて…。洋書の新刊も扱っているそうなので、それだけではないのでしょうがね。
吉野朔実はカズオ・イシグロを発見し、」宮田珠己は炭鉱の画文集を素直に読み解き、萩原魚雷は『ドラフト1位』に呆然。他に、『心理学とは何なのか』。