本の雑誌 12月号 (No.282) / 本の雑誌社 / 530円 (505円)
表紙デザイン 和田誠 / 表紙イラスト 沢野ひとし
すでに1月号が発売されていますが(定期購読者のみかもしれませんが特別付録「本のちらし」同封)、遅ればせながら …。
今号でもっとも印象に残ったのが穂村博の「共感と脅威 その2」。若者の脅威への親和性は加齢と共に共感への親和性へと移行。この感覚のシフトが人を詩から小説へとむかわせるのではないか、と。明快だぁ。そしてビンゴ本郷の「がんばれ、非LOVE属性女子」。恋愛優先順位が高い人、低い人のうち、後者が次第に勢力を増してきているように見える。それはこれまでが抑圧であり、さまざまな選択肢の一つとして自然な流れと思いたい。が、中高生対象の少女漫画は依然、恋愛を押し付けてくる、で、「高校デビュー」。読みたいです。
特集は「年忘れ架空雑誌大会!」面白雑誌の企画を考えようというもので、座談会メンバーは盛り上がっていますが(特に薄毛マガジン「月刊ゲーハ!」)、読者的にはどうなのかな。そういう私は「msdn magazine 日本語版」の復活を切に願っています。
第一回カバー相撲大会は装丁家多田進と日下潤一がほんのカバーで紙相撲5番戦を行うというバカバカしい企画。意外に面白いです。一読どっちが東方で、どっちが西方か分からないのでイライラしますが…(多田氏が東方)。ちなみに「進め文庫王国」では文庫カバーで対戦を行い、見事ウエちゃん(のカバー)が勝利しています。伊達に力士体格でない。
北上次郎推薦のB・グリーンフィールド「完璧な赤」も非常に面白そうです。