銀河ヒッチハイク・ガイド / ダグラス・アダムス / 安原和見訳 / 河出文庫 / 682円 (650円)
カバーデザイン : 永松大剛(BUFFALO.GYM) / カバー装画 : 氷見こずえ / カバーフォーマット : 佐々木暁
The Hitchhiker’s Guide to the Galaxy / Douglas Adams
Google電卓機能の「人生、宇宙、すべての答え」や映画化で突然、今年の話題となった本書。内容はというと、これが予想をはるかに超える面白さ。地の文章でこれだけ笑える本も珍しい。面白かったところでページの隅を折ってたら、本が膨らんでしまいました :-) 正直、冒頭のネタは絶対知らない方が楽しめますが(知っててもやっぱりちょっと笑えたけど)、それ以外のマグラシアの秘密やタオルなどの大ネタから、あちこちに登場するセンテンスや単語の繰り返しが絶妙におかしく、また確率やら、自我を持つコンピュータやら(「ダークスター」とどっちが先だろう?)、いかにも計算機屋が喜びそうなネタがてんこ盛り。ずばりど真ん中でした。
感心するのがネタの使いまわしで、軽くくすぐっておいて、後で再利用、のパターンがうまいこと、はまること。デジタル時計に、ネズミに、マッコウクジラに。いやはや。そうか、IBMのディープ・ブルーは、まずディープ・ソートがあって、カスパロフに負けたから、地球色のブルーになったのね。なるほど。
嫌でも浮かぶモンティ・パイソン。冒頭の泥に埋もれたアーサーなど、ジョン・クリースだかマイケル・パリンだかがやってるのが目に浮かびます。映画を「アンド・ナウ」と同じような感じでやれたら面白いかも。いや、待てよ、さっきの「ダークスター」のスタッフこそふさわしいのでは。となると、あぁ、やっぱりおまえか、ダン・オバノン!!