ブレードランナー 3 レプリカントの夜

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ブレードランナー 3 レプリカントの夜 / K・W・ジーター / 大野晶子訳 / 早川書房
Blade Runner : Replicant Night / K. W. Jeter

前作『ブレードランナー 2』ではレイチェルのコピー元、サラを登場させるアイデアと、映画内のミス(地球に逃げたレプリカントの数)、疑問(デッカードもレプリカントか?)、イメージ(タイレル社ビルがピラミッド構造をしている理由)等を寄せ集めるオタクぶりに、映画ファンとしてくすぐられる部分はあったものの、小説として特に感心した記憶はありません。それは本作においてもまったく同じでした。

「ブレードランナー」を撮影中のスタジオに始まり、少女レイチェルの登場、サラとの関係、レプリカントと人間の関係、地球から遠ざかることで人間性が逆転する発想、サラの父親の発狂の説明、等々。個々のアイデアは本当にすばらしく、またラストの驚きも成功している部類でしょう。

ですが、全編ほとんど会話だけで進む展開に深みはなく、この平板なト書きを読まされている印象は何だろう?

ジーターって、期待していた人なんだけど、この程度なのか?

 

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