世界Aの報告書 – ちょっと期待した

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世界Aの報告書 / ブライアン・W・オールディス / 大和田始訳 / サンリオSF文庫 /
カバー: 山田維史
Report on Probability A by Braian W. Aldiss (1968)

 

マリイ氏と妻が住む館を取り囲むバンガロー、馬車小屋、車庫にそれぞれ隠れ住む元庭師のG、元秘書のS、元運転手のC。彼らの部屋の中、道の向かいのカフェでの様子が克明に描かれ、誰もが館で起きるイベントを待ち続けている。
そしてこれらの人々を観察する別次元の人々がいて、更にはその観察者を観察する別次元の人々がいる多重世界が描かれる。

『サンリオSF文庫総解説』に感化され、積ん読の本棚から持ちだした本。ちなみにサークルの江藤先輩が卒業に際して頂戴したもの。

中身は本当に報告書のスタイルで、上のあらすじ以上には何も起きない実験小説。
表紙もタイトルも作者名も気になるけど、つまんないです。
読んでいる間は何か起きそうという気持ちで引っ張りますし、女中ヴィオレットや、猫が鳩を捕まえるシーンや、メタな観察者視点など、時折「おっ」と思う部分はありますが、再読には耐えません。

これ本当に「商業作品」なのかな…。

 

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